
近年、個人でも気軽に始められるビジネスとして「レンタルショーケース」に注目が集まっています。人気キャラクターグッズやハンドメイド作品などをレンタルショーケースで委託販売する仕組みは、コレクターやクリエイターからの需要も多く、一定の“儲け”を見込める可能性があります。
しかし、いざ開業しようと思っても「何から手をつければいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、レンタルショーケースのビジネスが本当に儲かるのか、そして開業に必要な許可や手続き、料金設定、立地選びに至るまでをわかりやすくまとめました。また、一歩先を行く管理方法としてPOSシステムの導入を推奨する理由も解説します。
初心者の方でも安心してレンタルショーケースに取り組めるよう、具体的なステップや失敗しないコツを網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそもレンタルショーケースって?

レンタルショーケースとは、店舗や商業施設などの一部スペースを一区画ごとに区切り、希望する個人や事業者に貸し出す仕組みを指します。利用者はそのスペース内に商品を陳列し、実際の販売を店舗側に委託する形が一般的です。
例えば、フィギュアやアニメグッズなどのコレクター向け商品、ハンドメイド作品、限定品の小物などを展示・販売するケースが多く、日頃から趣味にこだわりを持つ人や、独自の作品を世に広めたいクリエイターから注目を集めています。
この仕組みの魅力は、「自分の店をもたずに販売ができる」という点にあります。利用者は簡単な契約の上、一定のレンタル料金と販売手数料を店舗に払うだけで、自身で自由に価格を設定したうえで、商業エリアでの販売チャンスを得られるのです。店舗オーナー側も、複数のスペースを貸し出すことで、ショーケースレンタル代と手数料という“儲け”を生み出すことができます。店舗オーナーは売り上げの管理や集客を行い、利用者は出品や商品の補充に集中できるため、双方にメリットをもたらすビジネスモデルといえるでしょう。
ただし、成功するためには、取り扱う商品ジャンルと客層の相性が大切です。特に東京などの人口密集地で開業する場合は、立地や周辺エリアのターゲット客を見極めることが欠かせません。次の章では、このレンタルショーケースが本当に儲かるのか、そして開業・運営に必要な手続きや注意点を詳しく解説していきます。
レンタルショーケースは儲けられる?

成長するレンタルショーケース市場の背景
ここ数年、都心のおもちゃ専門店やアニメ関連ショップの一角でレンタルショーケースを見かける機会が増えました。この背景には、趣味の多様化やハンドメイド作品の市場拡大が後押ししているものと考えられます。
特に、東京の秋葉原や池袋などのいわゆる“オタク文化”が根付いたエリアでは、商品を求める熱心なファンが集まりやすく、開業の成功例も多いようです。
リピーターを獲得できれば安定収益
儲けを出すカギは、いかに“リピーター”を増やし、ショーケースを長期的に借り続けてもらうかにかかっています。短期的には販売手数料やケースのレンタル代で利益を得られますが、安定的な基盤を築くには、商品の回転率の高さや、オーナーの顧客対応スキルが重要となります。
とはいえ、最初から大きな利益を狙うのは難しいケースもあります。どのような商品が動きやすいのかを見極めるリサーチや東京などの人口密集地で販売ターゲットを定める、などの戦略が必要です。
レンタルショーケース開業の手続きとポイント

ここからは、実際にレンタルショーケースを始める際の手順について、抑えておきたいポイントと併せて紹介します。
1. 古物商許可の取得
多くのレンタルショーケースビジネスでは、個人客の中古品を扱うことになりがちです。そのため、古物商許可の取得はほぼ必須と考えておきましょう。各都道府県の公安委員会に申請し、一定の書類や手数料を納めることで取得できます。審査には1〜2か月程度かかることもあるので、開業スケジュールを逆算して早めに手続きすることが大切です。
2. レンタルショーケースの店舗の立地選定
立地はビジネスの成否を左右する大きな要因です。立地を選ぶ際には、下記を心がけるとよいでしょう。
- 人が多く集まる駅前や商業施設周辺が望ましい
- 特定ジャンルのファンが集まる地域(アニメ・ゲーム好きが多い秋葉原など)も有力
- 地価(賃料)と見込める売上のバランスが重要
東京のような大都市は賃料こそ高いものの、見込める購入客数やショーケース利用者数の多さから、大きな儲けになりやすい傾向があります。
さらに、東京は海外からの観光客(インバウンド)も多い都市です。キャラクターグッズや日本独自のサブカルチャー関連商品は、海外の旅行者からも人気が高いとされています。空港からのアクセスが良いエリアや観光名所の近くでレンタルショーケースを開業すれば、外国人観光客の集客にも期待ができるでしょう。
ただし、地方で開業しても、地域の趣味コミュニティを狙って成功している事例もありますので、一概に「都会だけが正解」とは言えません。
レンタルショーケースを開業する東京のおすすめエリア
秋葉原
コアなオタク文化が根付くエリア。
フィギュアや同人グッズなどの需要が高く、ショーケースを利用するコレクターが多いのが特徴です。
中野
中野ブロードウェイがあり、アニメやマンガ、レトログッズなど、一風変わった中古品やコレクションを求める人が集まりやすい場所。秋葉原とはまた異なるディープなファン層が期待できます。
池袋
東口にはサンシャイン通りがあり、男性に限らず女性向けコンテンツやコスプレ関連など、幅広い顧客が集まるのが魅力。
サンシャインシティでのイベントに合わせて集客できる可能性もあります。
原宿・渋谷
若い世代に人気のエリア。
ファッショングッズやハンドメイドアクセサリーなど、トレンドに敏感な人たちをターゲットとしたレンタルショーケースが注目を集めています。
3. 委託販売・ケースレンタルの仕組みづくり
レンタルショーケースの基本的な収益源は、
- ショーケースを借りたい人からのレンタル料金
- 商品が売れた際に加算する販売手数料
の2つです。この料金の設定が高すぎると借り手がつかず、低すぎると自分の取り分が少なくなるため、“相場”の見極めとテスト調整が大切です。たとえば人気エリアであれば高いところで月額6,000円〜1万5,000円ほどのレンタル料を設定している店舗も多いですが、これはあくまで一例。実際には立地やショーケースの広さ、客層などによって大きく変わります。
加えて、商品の販売価格に対して数%〜10%程度の手数料を取るのが一般的なモデルです。店舗の規模やターゲット層に合わせて、無理のない料金システムを構築しましょう。
4.POSシステムを活用した在庫管理も選択肢
レンタルショーケースビジネスにおいては、オーナーが異なる複数の個人客から託された商品を管理します。その際に、販売・在庫の管理業務を紙ベースで行うと労力と手間でかなりの負担となってしまいます。
そのため、売上や在庫、委託期間などを素早くチェックできるようにするためには、POSシステムの導入が非常に有効です。
POSシステムの導入でできること
- 各ショーケースの売上をリアルタイムに把握
- 日次・週次の在庫変動や利益率を簡単に分析
- 販売データから人気商品を抽出し、ショーケース配置やアプローチを最適化
同時に、商品名・オーナー情報・レンタル終了日などをシステムで一元管理することで、ヒューマンエラーを減らせます。店舗やショーケース数が増えてきた場合や、繁忙期中の混雑を考慮すると、早めに導入しておくほうが“失敗しない”ためにも有効といえるでしょう。
さらに、最近ではレンタルショーケースとして店舗に在庫を置きながら、同じ商品をネットでも販売し、オフラインとオンライン両面での集客を目指す委託出品者も増えてきています。
API対応のクラウド型POSシステム『タロスPOS』では、レンタルショーケースなどの店舗の実在庫数が基準となり、オフライン店舗とモールの在庫数を最短1分で同期します。レンタルショーケースでたった今売れた商品をモールAでも受注したが在庫切れだった、といったトラブルを未然に防止し、中古品特有の1点モノも安心して店舗併売が行えます。
これにより、販売チャネルごとに在庫を分けて管理する必要もなくなり、人件費や時間の削減をはじめ業務効率が大幅に上がります。
レンタルショーケースにPOSシステムを導入した成功事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。

POSシステムや『タロスPOS』についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

レンタルショーケースで失敗しないための注意点

ここからは、レンタルショーケースで失敗しないための注意点について解説します。
1. 過剰な在庫と管理不能リスク
在庫を持ちすぎるとショーケースに収まりきらず、結局稼働率が悪くなるケースがあります。また、商品の委託数が多ければ多いほど管理の手間やミスも増大。POSシステムで管理する場合でも、最終的にはスタッフの運用体制がしっかりしていないと、“儲け”以前にお客様を混乱させてしまいます。
2. 料金設定が合わない
レンタル料や販売手数料の設定に失敗し、高すぎて借り手がつかない、あるいは安すぎて利益が薄い、といったトラブルが起こりがちです。周辺店舗の相場をリサーチし、まずは適正なスタートラインを見定めることが“失敗しない”ためのコツです。途中で料金体系を変更するにしても、既存の契約者とのコミュニケーションを丁寧に行う必要があります。
3. 宣伝不足で集客できない
「東京の中心街に店を構えたから大丈夫!」と油断して、集客を怠るのは危険です。SNSでの発信や、店頭POPなどを活用して認知度を広げる工夫が必要となります。特定ジャンルに特化する際には、コミュニティサイトやイベントに出店するなど、潜在ユーザーとの接触機会を増やしましょう。
4. 契約・トラブル対応の不備
レンタルショーケースの開業にあたり、利用規約やトラブル時の対応方法を明確にしておくことは必須です。委託した商品が売れなかったときの返却や、盗難・破損時の補償範囲など、事前に取り決めを用意しておかないと後々問題になる場合があります。
レンタルショーケース開業に必要なものは以下の通りです。
- 古物商許可証:中古品を扱うなら原則必要
- 店舗物件・什器(ショーケース):立地と賃料のバランスがカギ
- 料金設定:レンタル代と販売手数料の相場を調査
- POSシステム:在庫・売上管理を効率化
- 宣伝ツール:SNSや店頭告知などで認知度を上げる
まとめ|レンタルショーケースはまだまだ伸びしろのあるビジネスモデル!
レンタルショーケースは、趣味やコレクター文化の高まりを背景に、まだまだ伸びしろのあるビジネスモデルです。
正しい立地と的確な料金設定、そしてPOSシステムを活用したスマートな在庫管理ができれば、十分に儲けを生み出すことが可能でしょう。
まずは「古物商許可の取得」や「ターゲット層に合ったエリア選び」など、基本的な部分からひとつずつ取り組んでみてください。
また、資金計画を立てるうえでも、ショーケースそのものの購入や賃貸料金も含め、費用対効果を具体的に試算することが大切です。
これからのビジネスチャンスを逃さず、本当に「儲かる」レンタルショーケース運営を目指してみてください。あなたの行動が、新しい収益源やコミュニティ拠点を生み出す第一歩となるでしょう。